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75話 手伝えること

ผู้เขียน: 八月 猫
last update วันที่เผยแพร่: 2026-08-05 09:01:40

 段ボールが部屋の隅に置かれてから、悠斗はそこを何度も見てしまった。

 本、と書かれた箱。

 まだ蓋は閉じられていない。

 中には、真琴が選んだ本が入っている。

 写真集。

 海のエッセイ。

 古い小説。

 どれも、悠斗が知らなかった真琴の一部だった。

 同じ家に何年もあったものなのに、見ていなかった。

 その箱を見るたびに、胸の奥が鈍く痛む。

 けれど、痛いからといって目を逸らすのは、もう違うと思った。

 悠斗はキッチンに立ち、夕飯に使った皿を洗っていた。

 今日は惣菜と味噌汁だけだった。

 味噌汁は少しだけ濃くなりすぎた。

 でも、前よりはましだった。

 洗い物を終え、布巾で水滴を拭く。

 布巾をどこに干すのか、少し前まで知らなかった。

 今は分かる。

 分かるようになったからといって、何かが許されるわけではない。

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